2025年12月、私たちは「北海道ドライブ紀行」の本館を開設しました。北海道のドライブ、観光、食、鉄道、自然を題材に、旅先で撮った風景や走行映像、ゆっくり解説、オリジナルの音楽を組み合わせて届けるチャンネルです。
開設当初から、動画が表示されなかったわけではありません。通常動画にサムネイルの表示機会があり、おすすめや関連動画から視聴される様子をStudioで確認しながら、タイトルや構成を見直していました。
ところが、2026年3〜4月には分析データの表示や集計に疑問が重なり、動画の届き方についても、それまでとの違いを記録するようになります。4月末にTeamYouTubeへ報告し、5月5日には「修正済み」との回答を受けました。それでも、運営が十分に立て直せたとは判断できず、6月には活動の中心を【新館】へ移すことになりました。
なぜ、作品を積み重ねてきた本館を離れる判断が必要だったのか。第1回では、当時の運営記録と保存画面を使い、開設から移転までを振り返ります。YouTube内部の原因を解明した報告ではなく、投稿者の側で何を見て、どう判断したのかを残す記録です。
本稿は2026年10月末時点での整理です。当時の運営メモ・会話記録、Xの保存画像、10月末に過去期間を照会したStudio画像を区別しています。運営記録だけで確認できる数値は、その旨を本文にも記します。
第1章|2025年12月――北海道ドライブ紀行、本館の開設
最初に目指したのは、北海道の旅を動画として楽しんでもらうことでした。道東を中心に、道を走る時間、街の風景、食事や立ち寄り先までを、一つの旅として伝えていく。12月の運営記録にも、走行シーンを多く使い、街やグルメとオリジナル楽曲を組み合わせる方針が残っています。
公開した動画については、見られた回数だけでなく、サムネイルが何回表示されたか、どこから視聴されたか、どれくらい見続けてもらえたかを確認していました。表示されたあとに選ばれないのであれば、タイトルやサムネイルを見直す。見始めても途中で離れられるのであれば、導入や構成を考え直す。そうした改善のために、Studioの数値を使っていたのです。
初期の記録には、通常動画への表示と推薦経路がある
12月のインプレッションやCTRを直接確認できる画像は、今回の資料にはありません。ただ、翌2026年1月8日の会話記録には、「網走前編」の通常動画について、インプレッション2,387、CTR2.6%、平均視聴時間2分04秒と報告した値が残っています。CTRは、表示されたサムネイルのクリック率です。
また、1月7日付の記録には、3曲をまとめた通常動画について、インプレッション1,400超、CTR0.5%、視聴10回とあり、視聴の流入元は関連動画50%、ブラウジング30%、通知10%と記しています。ブラウジングはホームなどからの流入、関連動画は別の動画を見ている画面などからの流入として、当時確認していた項目です。この割合は視聴の流入元であり、インプレッション全体の内訳ではありません。
これらは当時の会話記録に残る運営者の報告値です。今回、対応する原画面は再確認できておらず、公開後の経過時間や集計期間がそろった比較ではありません。12月の実績値として置き換えてもいません。
クリック率が低い動画もあり、初期からすべてが好調だったという意味ではありません。それでも、通常動画が表示され、関連動画やホーム等から視聴され、その先の改善を考える材料があったことは記録に残っています。本館は、最初から表示機会のないチャンネルとして始まったわけではありません。
ここでいう当初の正常な運営とは、そうして画面を見ながら制作を改善できていた、という運営者の認識です。すべての機能に問題がなかったことを、技術的に検証したという意味ではありません。
第2章|2026年3〜4月――それまでとは異なる症状
運営を続けるうちに、数値を見て次の改善を考える前提そのものに、疑問が出てきました。過去の整理には「3月後半頃から」との記述がありますが、異常が始まった日を一日に特定できる資料はありません。
4月初めの会話記録には、月間視聴者数の「0」や「—」表示、通常動画の年齢層が表示されないこと、性別の表示への疑問、普段との比較を示す部分が一様に出ないこと、リアルタイムとランキングの反映のずれ、Shorts初動の後追い加算などを記したまとめが残っています。これは当時の運営記録によるもので、各項目の原画面を今回すべて再確認できたわけではありません。
表示の欠け、集計の不一致、表示機会の少なさを分ける
当時は「何かおかしい」とひとまとめに感じやすい状況でした。しかし、振り返る際には、少なくとも四つに分ける必要があります。
- 分析画面に値が出ないこと。属性欄などが「—」になり、内容を確かめられない状態です。画面に出ないことだけで、内部データの消失は判断できません。
- 表示される数や集計が合わないこと。公開済み件数や週間まとめなど、別の表示と整合しないと感じ、照合や報告を行った項目です。
- Studio自身が不正確と案内していること。後述する4月21日の視聴者分類データの警告が該当します。
- 動画が表示される機会についての変化。新作のインプレッションや、その後の視聴の続き方についての観測です。集計画面の問題と同じ原因とは限りません。
単純に再生回数が減ったことと、新作のサムネイルが表示される機会が減ったことも、同じではありません。運営記録にはShortsの初動の少なさや遅れ、本館の通常動画の回遊が弱くなったという観測が残っていますが、3〜4月の新作を同じ公開後経過時間で比較できる原資料は、今回そろっていません。減少率や特定の日を境にした一律の縮小までは示せません。
4月30日のXでの追加報告にも、「3月後半から続く不整合の可能性」と記しています。これは、当時から継続性を疑っていた記録です。3月のある日に共通の障害が発生したと確定した記録としては扱いません。
第3章|4月21日前後――YouTube Studioの公式警告
そうしたなか、Studioの画面には、データが正しくないことを知らせる警告が出ていました。対象は、2026年4月21日のライトな視聴者数、コアな視聴者数、新規視聴者数です。警告には、これら28日間の視聴者指標について、一部の日付のデータが正しくなく、解決に向けて作業中である旨が表示されています。
この点は、私たちがグラフを見て不自然だと考えただけの話ではありません。Studio自身が、不正確なデータがあると案内していました。ただし、4月21日は警告が対象とするデータの日付です。警告が最初に表示された日を、画像から特定できるわけではありません。
4月29日、私たちは「M3 Toraneko(@M3Toraneko29784)」名義で、この警告を添えてTeamYouTubeに報告しました。視聴者分類だけでなく、その後のおすすめ表示の判断に影響していないかを懸念し、確認を求めたものです。

ここで確認できるのは、警告が表示され、それを公式サポートへ報告したことです。おすすめへの影響は、投稿者として確認を求めた内容であり、実際に影響したと裏付けられたものではありません。
第4章|4月30日〜5月2日――公式への追加報告
4月30日、認証バッジの付いたTeamYouTube(@TeamYouTube)から返信がありました。サポート窓口ではシステム内部の詳細確認や変更はできないものの、担当部署では作業中であり、完了を待ってほしいという説明でした。
私たちは同日の返信で、さらに次の内容を伝えています。
- 4月20〜24日の視聴回数の過少報告
- 4月21日の視聴者データの不正確さ
- 週間まとめの投稿数の不一致
- Podcast集計の不一致

資料2:4月30日のやり取り。TeamYouTubeの作業中という回答と、運営者の追加報告。返信の日付表示は「Apr 30」。
5月2日には、「公開済みコンテンツ」数が過去28日・90日・全期間で同じ値に固定される件と、動画・Shortsタブの公開マーク数との不一致も追加報告しました。Studioのフィードバックから、スクリーンショット付きで送ったことをXの返信に記しています。
これらは、保存されたXの会話画像で確認できる「投稿者が公式へ報告した内容」です。個々の集計の原画面まで、今回独立して再検証できた項目ばかりではありません。また、報告した項目が多いこと自体は、一つの原因ですべてが起きていたことを意味しません。
第5章|5月5日――TeamYouTubeからの「修正済み」回答
5月5日、TeamYouTubeから、次の回答が届きました。
大変お待たせいたしました。この問題は修正済みです。ご不便をおかけしました。またこの度は、詳細なご報告をありがとうございました。他に何かご不明な点がありましたら、お問い合わせください。

資料3:5月2日の追加報告と、5月5日のTeamYouTubeの修正回答。公式ハンドルと認証バッジ、日付「May 2」「May 5」が表示されている。
制作を続ける側としては、これで分析画面を確認しながら普段の運営に戻れることを期待しました。数値が低ければ、その数値を材料に改善する。そのためにも、まず画面を信頼して使える状態に戻ってほしかったのです。
ただし、回答の「この問題」が、最初の視聴者分類データの問題を指すのか、その後に追加報告した項目まで含むのかは分かりません。項目ごとの修正内容や、その確認結果は示されていません。
したがって、ここで確かめられるのは5月5日に「修正済み」との回答があったことです。追加報告のすべてについて修正完了が確認された、という意味には広げられません。
第6章|修正報告後も、運営が戻ったと判断できなかった
回答を受けたあとも、Studioと動画の視聴状況を確認し続けました。当時の記録をたどると、何も改善しなかったわけではありません。一部の表示が戻る一方で、別の項目は使いづらい状態が続いていました。
5月9日――残っていた表示上の問題
5月9日の会話記録には、Studioで5日分が「処理中」になっていること、公開済みコンテンツのカードが表示されないこと、90日間の年齢・性別表示に引き続き疑問があること、4月のレポートが届いていないことを記しています。
これは修正回答後の運営者の観測記録です。今回の7枚には当日のStudio原画面がないため、各表示の細部を画像で再確認できているわけではありません。それでも、回答後に確認をやめたのではなく、解消したかを引き続き見ていたことが分かります。
5月10日――戻ったカードと、残った「処理中」
翌5月10日朝の記録では、公開済みコンテンツの表示が戻り、ショート21、動画10、投稿8と確認しています。これは、前日に表示されなかった項目についての改善です。
一方で、記録していた「処理中」の範囲は5日分から6日分へ広がっていました。月間視聴者数のカードでは、処理中が2日分へ縮まったという記録もあります。つまり、同じStudioのなかでも、表示が戻った項目、処理中が残った項目、改善方向に見える項目が併存していました。
日数と件数は当時の会話記録によります。「公開済みコンテンツ」の件数が戻ったことと、期間別の集計や属性などを含むすべての項目が検証済みになったことは区別しています。
表示の確認と、動画が届く状況の確認が続いた
その後の運営記録にも、3月・4月の月間ハイライトやレポートが届かないこと、属性カードへの疑問、普段の動画との比較表示を使えないこと、リアルタイムの再生や既存動画の回遊が弱くなったという観測が残っています。
これらをすべて「5月5日以前からの同じ不具合が残った」と分類することはできません。再発したのか、別の現象が新たに起きたのかを分けられない項目もあります。視聴者の活動時間や、関連動画・ブラウジングの修正後の推移については、公開できる具体値と条件を今回確認できていないため、数字での比較は置いていません。
6月上旬の移転検討の記録では、2月は48時間の再生が70〜80ほどだったのに、その後は細ってきたという振り返りがあります。ただし、これは当時の回想を含む運営記録で、比較する各時点の画面やコンテンツ条件がそろった数値系列ではありません。通常動画のインプレッション減少を、その再生回数だけから算出することもできません。
6月16日の記録にも、本館の28日間の状況の落ち込みを強く受け止めていたことが残っています。正確な減少幅は示せませんが、表示が一部戻ったあとも、運営者として状況が悪化していると判断するまで観測を続けていた経緯は確認できます。
私たちが正常な運営に戻ったと判断できなかった理由は、「修正済み」という言葉と再生回数だけの食い違いではありません。作品をどう改善すればよいかを考えるための分析画面に疑問が残り、動画が届く状況も立て直せたと確認できないまま、制作を続けていたことにあります。
第7章|10月末、旧館アーカイブで視聴者属性を再確認した
ここで、当時の時系列からいったん離れ、後日確認した資料を示します。2026年10月末、後に「旧館アーカイブ」として残した本館のStudioで、2026年3月1日〜6月30日の122日間を指定して再照会しました。
コンテンツタイプ別の集計と、同じ期間の年齢・性別レポートを比べた結果が次の表です。通常動画は、画面上で「動画」と表示される区分です。
| 確認項目 | 全コンテンツ | Shorts | 通常動画 |
|---|---|---|---|
| 視聴回数 | 24,929 | 21,270 | 3,525 |
| サムネイルのインプレッション数 | 222,469 | 25,023 | 197,446 |
| CTR | 1.3% | 1.9% | 1.3% |
| 平均視聴時間 | 1分09秒 | 15秒 | 1分58秒 |
| 視聴回数に基づく男女比 | 男性96.4% 女性3.5% |
男性96.4% 女性3.5% |
ともに「—」 |
| 総再生時間に基づく男女比 | 男性69.3% 女性30.7% |
男性69.3% 女性30.7% |
ともに「—」 |
| 年代別内訳 | 表示あり | 両画像で読める行の値は全体と一致 | 全項目「—」 |
| 属性レポートの案内 | 比率を表示 | 比率を表示 | ユーザー属性データ不足 |
視聴回数の合計には「投稿」134回も含まれます。属性の「ユーザーによる設定」は全体・Shortsとも合計行が0%、通常動画は「—」です。表示された割合を補正していません。Shorts画像は下部が切れているため、55〜64歳と65歳以上の行全体の一致までは確認していません。

資料4:2026年3月1日〜6月30日のコンテンツタイプ別集計。2026年10月末に過去期間を再照会した画面。

資料5:同じ122日間、形式フィルタなしの年齢・性別。視聴回数と総再生時間の属性比率が表示されている。

資料6:同じ122日間、「YouTubeショート」限定。合計行の男女比などは全体と一致する。画像下部の年代行には欠けがある。

資料7:同じ122日間、「動画」限定。年齢・性別の全属性欄が「—」で、ユーザー属性データ不足の案内が表示されている。
通常動画には3,525視聴という表示がありますが、その年齢・性別をこのレポートから確かめることはできませんでした。一方、形式を絞らない画面とShorts限定の画面では、読める範囲の比率が一致しています。
この比較が示すのは、指定した条件で表示内容がそう変わることです。3,525視聴だけで属性レポートの表示条件を満たすとは断定できません。全体とShortsの比率の一致も、それだけで集計不具合を証明するものではなく、内部で通常動画の属性データが破損・消失したとも判断できません。
さらに、これは10月末に過去期間を照会した結果であり、5月5日当日や回答直後の画面ではありません。後日にもこの条件では属性を確認できなかったという資料として置き、移転当時の状態をそのまま再現した証拠とは扱いません。
第8章|なぜ、本館を離れる判断をしたのか
開設当初は、通常動画への表示機会や視聴経路を確認し、その先のクリック率や視聴時間をもとに改善を考えていました。3〜4月に分析・表示への疑問が重なり、公式へ報告し、修正済みとの回答を受けたあとも、同じように運営できる状態に戻ったとは確認できませんでした。
5月10日に表示が戻った項目があることは、重要な改善です。しかし、それで他の処理中表示、属性への疑問、レポートの未着、動画の届き方についての問題まで解消したことにはなりません。反対に、未解消の項目があることだけで、公式の修正が何も行われなかったとも断定できません。
私たちにとって難しかったのは、作品を作り続けながら、視聴者への届き方を確かめ、次を改善するための材料にも疑問を抱え続けることでした。動画の内容が選ばれなかったのか。表示される機会が少なかったのか。集計の反映をまだ待つべきなのか。その切り分けがつかない状態が、運営の判断を難しくしていました。
「作品が視聴者に評価されなかったこと」と「作品が表示される機会自体が少なかったこと」は別です。そのどちらも検討したいからこそ、分析の前提を確かめる作業が長く続くことは、制作を続けるうえで大きな負担になりました。
6月、既存の別館を活動拠点へ組み替える
6月上旬の記録では、別館を新しい活動拠点の候補として整える方針が具体化しています。6月11日の会話記録では、当時「北海道ドライブ紀行 Music」としていた別館への移行方針を整理し、本館で移転告知を兼ねるShortsを使うことも記しています。6月中旬には、新館を本線にし、本館を案内役として残す方向へ進みました。
これは、一度の投稿が伸びなかったためにすぐ移った、という判断ではありません。分析や表示に関する疑問を記録し、問い合わせ、回答後も確認を続けたうえで、運営を続ける方法を変えることにしたものです。
移転先は完全に新設したチャンネルではなく、以前から存在した別チャンネルを再編して利用しました。新しいGoogleアカウントでゼロから始めた事例としては扱えません。準備、案内、活動の比重の移動は段階的に進んでおり、一つの日をもって全作業が完了したとする日付は置いていません。
本館を離れたのは、私たちが運営継続のために選んだ対応です。内部障害やペナルティを確定したからではありません。原因が分からない部分を残したままでも、北海道の旅を作り、公開する活動を続けるための判断が必要でした。
第9章|北海道ドライブ紀行【新館】へ
こうして、活動の中心を「北海道ドライブ紀行【新館】」へ移しました。チャンネルの置き場所を見直しても、北海道の道や風景、食や文化を動画として届ける目的は続いています。
本館は後に「旧館アーカイブ」として残す運用になりました。公開してきた作品と、そこで運営してきた経緯を残しながら、新館で制作・公開を続ける。その形を選びました。
第1回でお伝えしたかったのは、修正済みとの回答の有無だけでは、投稿者が日々の運営に戻れたかどうかまでは判断できない、という経験です。表示が戻ったものも、確かめられないまま残ったものも区別し、そのうえで本館を離れる判断に至りました。
第2回では、新館での運営開始後に何を観測したのかを扱います。まずは、この移転を第1回の区切りとします。

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